輪るピングドラム TBS(11/11)#18

第18話　だから私のためにいてほしい
 
多蕗の回想。
母はピアノが好き。
父はピアニストだった。
あの人は駄目、才能がある人が好き。
作曲家と再婚して弟が出来た。
その才能に愕然とした。
時を止めようと手を挟んだ。
事故が無ければ僕の方が上手かったと
　言ってくれるかもしれない。
あなたの弟がコンテストに優勝するわ。
その日、鳥籠が錆びた。

だからピアノが弾けないんだ、手が駄目になったから。
苹果を降ろして、陽毬と降りる。
高倉家には恨みは無いと言ってたのに。

冠葉に連絡する多蕗。
父親を連れて来い。
確認するんだ、桃果が僕に生きることを望んだ意味を。

ここは何処？
子供ブロイラーだよ。
要らない子供が集められて砕かれて透明になって
　消える。
僕は捨てられたんだ。
帰るわよと、桃果が助けに来た。
あなたは知らないかもしれないけれど、私はいつも
　あなたのピアノを聞いていた。
もうピアノは弾けないんだ。
関係ないわ、私が聞いたのは、あなたの心だから。

砕かれる多蕗の手を取って助ける桃果。
あなたの事が大好きよ。
私の所に帰って来て。
僕には生きる意味なんて無いんだ。
だったら私のために生きて。

陽毬を助けに向かう冠葉。
陽毬はゴンドラに乗せられていた。
ゴンドラのワイヤーを爆破していく多蕗。
警察に電話すると苹果。
警察には連絡するなと冠葉。
晶馬には連絡が繋がらない。
君は奴らの残党と付き合っている。
そのリーダーは君の父親だろう？
僕は一番大切な人を奪われた。
償ってもらう。
桃果は人類の救世主になる人だった。

これでも父親を呼べないと言うのか？
じゃあ罰は君たちに受けてもらおう。
妹を助ける方法はただ一つ、ワイヤーを君の手で
　掴むんだ。

晶馬は向かって走る。
僕は醜いだろう。
桃果を失って何のために生きているのか分からない。
内側から喰らい尽くされて1個のモンスターとなった。

ゴンドラのワイヤーを掴む冠葉。
絶対に離さない。
もう良いのよ冠ちゃん。
もう十分。
知ってるよ、私はもう永く生きられない。
私は幸せ者だったから。
お父さんの罰は私が受けます。
冠ちゃん、晶ちゃんは助けてあげて。
俺はお前のために生きたいんだ。

飛び降りる陽毬を抱きかかえた多蕗。

苹果ちゃん、僕のようになっちゃ駄目だよ。
エレベーターで降りていく。
晶馬が駆けつける。
罰は俺が受けた安心しろ。
陽毬を病院に連れて行け。

遅かったね。
私を利用したわねとユリ。
まさか、あなたがこんなことをするなんて。
所詮は偽物の家族でしかない。

どうしてだよ、何も望んでないじゃないか。

私は違うよ。

---次回　「」

子供ブロイラーの意味が明かされました。
要らない子供を砕いて透明にして消去する。
具体的には何に当たるのか分かりませんが、
　多蕗は母親に愛されなくなって捨てられた。
それを助けたのが、桃果でした。

しかし桃果が居なくなって生きる意味を失った
　多蕗。
普段は恨んでいないと言ってましたが、内側には
　獣を飼っていました。

この作品は相棒tenの2話「逃げ水」で描かれた
　被害者と加害者の悲惨さを描いた作品のような
　気がします。
被害者家族の恨みを加害者に直接言えない、果たせない
　ので加害者家族が代わりに罰を受ける。
今回はそんな感じのストーリーでした。

加害者家族は何も望まずただヒッソリと目立たぬように
　生きています。
被害者家族の苹果はそうじゃないと晶馬に話します。
苹果の存在が鍵となりそうです。