ハルチカ ～ハルタとチカは青春する～ TokyoMX(3/16)#11

第11話　エデンの谷

地区大会、県大会を突破して清水南吹奏楽部は
　東海大会に出場することになった。
これも芹沢直子のお陰だと喜ぶチカ。

チカの個人レッスンをする直子を部長は利用して
　ピアノで下級生に練習を診てもらう。
しかし調律が狂っていると言い放つ直子に今時の高校生はと
　クレームを付ける女性登場。
見た目はスナフキン、朱里はスナフキンに一目惚れ。
それなら演奏勝負をしましょうと直子に持ちかける女性。
山辺真琴は鍵盤付きハーモニカの販売員。
イタリアのクラビエッタを取り出して演奏を始める。
表情豊かな音色に魅了されて直子は負けを認める。
負けた直子はチカにパンを買いに走らせる。

信二郎と草壁先生を呼び捨てにする真琴。
草壁先生の恩師が山辺富士彦、孫娘が天才ピアニストだった。
草壁先生の依頼と富士彦のピアノ、ベーゼンドルファーが発見された。
しかし鍵が見つからず、真琴が知っているらしいと遺言。
鍵を壊すと2千万円の価値が下がるらしい。
祖父からもらったのはクラビエッタだけだった。
分解掃除をしているが、そんなものは知らない。
真琴はいつも祖父の代わりに頭を下げてきた。
ピアニストとして大事な演奏家の指を地面に擦りつけてきた。
その最たるものはドイツベルリン交響楽団の指揮を放り出して
　失踪した草壁の謝罪だった。
祖父のベーゼンドルファーに触れられたのは草壁だけだった。

用事で途中退席する草壁。
隣の部屋で盗み聞きしている3人には気づいていた。
直子の症状は理解して、それでもプロを目指すのか問いかける。
純粋な感動の拍手が同情に変わっても耐えられるの？
厳しい問いかけを行う。
クラビエッタを分解するが鍵は見当たらない。
草壁先生に頼まないのは教師になって優しくなったから、
　真実を伝えないだろうと思ったから。

実は大学1年生の頃に弱視を患った。
もう譜面も読めない状態だった。
幼いころは数々のコンクールで入賞した真琴だった。
名刺の角が落とされているので気づいたハルタ。
弱視を知って祖父と草壁は音楽を諦めろと言った。
多汗症を手術してまでピアニストを目指していた。
クラビエッタの滑り止めは点字だったと見抜いたハルタ。
かぎなくした、鍵無くしたと書かれていた。
最後まで大事なことを自ら言わない祖父だった。

ベーゼンドルファーの鍵盤は象牙からセラミックに変わっていた。
象牙はクラビエッタに移されていたのだった。
芹沢直子の右耳は治らないが左耳は回復していた。
心因性の症状だろうということだった。
直子も進路を決める時期に差し掛かっていた。

---次回　「共鳴トライアングル」---

音楽もスポーツ、肉体を傷つけるのですね。
難聴に弱視と不幸が発生するのですね。
しかもピアニストは多汗症は強制しなければいけない。
なんとも大変な職業ですね。
しかも認められるのは運も必要でほんの一握り。
そんな厳しい世界でした。

祖父の山辺富士彦も最後には孫に優しかった。
でもそれまでは厳しい人のようでした。
昭和元禄落語心中の父親が息子に名跡を継がせたのとは
　真逆の展開にも思えた。
プロには親子の情愛など不要の厳しさ。
ただ真琴が優しく気遣いのできる常識人だった。
それ故に祖父は孫に甘えたのでしょうが、音楽以外は
　何も出来ない社会生活も出来ない人間失格者にも思える。
きっと天才とは、そういう人たちなのでしょう。
その割には草壁先生は常識人になっているのは、音楽を
　諦めたからだろうか。

この作品は学園日常推理としては題材が暗く重い。
もっと女子たちが集ってキャッキャウフフさせれば面白くなりそうだが、
そこをチカ一人に任せてハルタに推理させすぎると思う。
もっと小さなネタでキャッキャウフフで良かったのにね。
弱視で譜面も読めなくても日常生活は問題ないのだろうか。

実写映画化決定らしい。