ジョーカー・ゲーム TokyoMX(5/31)#09

第9話　ダブル・ジョーカー(後編)

旅館で今後の方針を説明する風戸中佐。
白幡家の書生、森島から情報を得ていた。
今夜、グラハム英国大使に統帥綱領を受け渡す。
彼の役目も今夜限り、褒美の酒を飲ませて送らせる。

白幡邸に自動車が到着する。
受け渡しの瞬間を抑えようと屋敷内に侵入するが人の気配がない。
書斎で待っていたのは結城中佐だった。
統帥綱領はここにはない。
あんなバカバカしい物に価値など無い。
軍隊の方針、指針を諭したものだから。

海に送られた森島はD機関、1年前から潜り込んでいた実井だった。
D機関は白幡を以前から注目して監視していた。
それを風戸機関ごときに邪魔されては叶わない。
グラハムは既に出国を考えて神戸に移動中。
屋敷周辺の風機関員は神永と波多野が拘束した。
殺人は愚か者の所業、目立って詮索される。
風機関は旅館の中居全員に軍人だと知られていた。
このご時世に若い男性が集まって利用することはない。
白幡に風機関の襲撃を連絡したのは旅館の仲居。
しかも風戸は変装した結城と旅館で会っていた。

陸大出の天保銭は要らない、時代遅れの役立たずの意味だが
　陸軍では反対の意味で使っているらしい。
所詮はスパイごっこを楽しむ裸の王様だったのだ。
風戸は自分の拳銃で自決する。

---次回　「追跡」---

結局は風戸中佐の行動は筒抜けでした。
D機関だけでなく、旅館の中居にまで。
任務には忠実でしたが世間知らずでした。

D機関は長期的に準備を行い計画性を持って行動していた。
特に一番危ない状況を想定しているので、些細な物、
　統帥綱領など興味がなかった。
グラハムを通じての情報漏えいは気にかけてはいたのでしょう。

気になるのは蒲生次郎ですね。
彼はおそらくD機関なのでしょう。
これで貴様も風機関の仲間入りと言われていたので、
　当初からのメンバーではないと思われる。
当初のメンバーと言っても密かに集めたメンバーなので、
　全員が新メンバーみたいなものでしょう。
ただ新人にそこまで任せるのも不思議に思える。

天保銭は明治に8厘運用で1銭にも満たないので、
　足りない人を意味するようになったらしい。
陸軍大学校の卒業生徽章が天保通宝に似ているから
　卒業生の将校、エリートを表す俗語でもあるらしい。