鬼平 テレ東（3/13)#10

第十話　泥鰌の和助始末

おじゅんにせがまれて泥棒細工の話をする平蔵。
盗みのために大工として施工時に細工をする。
中には惚れ惚れする仕事をする和助の様な者も居る。

3年ぶりに江戸に戻った和助、大工の親方は
　大喜びで仕事を与える。
所帯を持たないかと勧める親方だが、持ってはいけないと拒否。
和助の仕事を知る盗賊の定六が盗みに誘う。
紙問屋の小津屋を狙いたい、和助が細工をしたはずだから。
5年前に心の臓を患って足を洗った、忘れたと拒否する。

馴染みの孫吉、おひろ夫妻を訪ねる和助。
2人の息子の磯太郎は紙問屋小津屋の手代になった。
先代の旦那が娘と祝言をあげてゆくゆくは店を任せたいとまで
　言われていたが、亡くなってしまった。
磯太郎は和助の息子だった。
妻のおせきを死なせてしまったと詫びる孫吉とおひろ。
磯太郎は2人が面倒を見て育てたのだった。
もう真実を告げても良い年ごろだと孫吉が話すが
　それはいけないと断る和助。

和助を知る彦十は密かに尾行していた。
もう仕事は足を洗ったと聞いて信じるが、平蔵には報告する。
小津屋では今の旦那に虐められていた磯太郎。
先代に可愛がられていたので余計に酷い仕打ちだった。
それでも真面目に頑張れと言った和助。
集金した五十七両が磯太郎の行李から発見された。
それは旦那様にお渡ししたはず。
盗人を奉公人として働かせる訳にはいかないね。

店内で首を吊った磯太郎。
あの時、磯太郎は助けを求めていたのに突き放してしまったと
　後悔する和助だった。
孫吉とおひろが居ない。
河に身を投げていた。
その夜に酔った和助は小津屋の主人の行いを知る。

定六と小津屋に盗みに入る和助。
彦十が平蔵に報告するが、今夜は月が綺麗だから出動が
　遅れるかもしれないな。
和助は蔵から証文を盗み出した。
橋の上で定六たちを待ち構える火盗改メ。
金を捨てて船の速度を上げないと捕まるぞ。
千両箱を川に投げ捨てる定六たち。
和助は盗んだ証文を破り捨てる。

4年後の今年、小津屋は和助が盗んだ金と証文のせいなのか
　潰れてしまった。
平蔵の膝の上で眠っているおじゅん。

---次回　「むかしの男」---

今回は世の非情、無情を描いたのではなく
　勧善懲悪を描いたエピソード。
和助の盗みを知って出動を遅らせる平蔵の情けが粋でした。
息子も仲間も全て失った和助。
仕返ししたいと思う気持ちは普通でしょう。
しかも謂れのない虐めで3人の人間が命を落としたとすれば
　平蔵も目溢ししたくなるのが人情でしょう。

見事に仕返しが成功した和助、でも結果は変わらない。
亡くなった息子も友人夫婦も帰らない。
そう考えると苦い結果でもある。